ししまる闘病記～産卵篇

ケージの温室を介護仕様に変えて、休むししまる。

イグアナの飼育環境は本来“高さ”が必要です。
でも、今のししまるは這いずり回ることしかできません。
四肢が麻痺している上に、
右手の中指が一本無くなってしまったため
イグアナの習性である木登りもできません。
150cmある温室の上部のみに網で床をつくり、
毛布と低反発クッションを敷き、枕を設置。
もともと枕好きだったししまるなので
寝床はいつも、低反発クッションとタオルの枕でした。


続きで、病気のいきさつを書き連ねたいと思います。

事の経緯は４月のおわり。
毎年恒例、春の卵祭り。
健康な雌イグアナは年に一度、一匹で飼っていても卵を持ちます。
我が家では雄うさぎは居ても、雌イグ一匹なので無精卵で孵りません。
おなかに卵ができると拒食がはじまり、約一ヶ月くらい土を掘る行動を続けます。
環境が気に入れば産卵するし、気に入らなければ産まずに吸収してしまう。
ししまるは現在8歳で、今までには２回産卵していました。
毎年この時期になると北海道から無農薬の黒土15kgを取り寄せ、産箱を作ってあげると
一心に掘り続けます。産箱だけで満足できず、
ケージ内で床やガラスをガッシャガッシャと引っ掻き回し
それはそれは近所迷惑なほどやかましいのであります
ガラスの引き戸をテープで止めておいても、すごい力でこじ開けて脱走
部屋中を徘徊し、床をホリホリしまくり、起きている間はそんな調子でず～っと騒ぎ続けているのです。
ところが今年のホリホリは、いつもに比べてパワフルでテンションが高すぎる。
おかしい。
いつもなら産卵するか、吸収するかしておとなしくなる時期なのに騒ぎは一向におさまる気配がない。
もしかして卵詰まり？
なかなか厳しいスケジュール状況での仕事缶詰から開放された私は、
あわてて爬虫類専門病院のレプタイルクリニックに予約を入れました。

6/11初めての診察。
レントゲンを確認すると卵の卵殻が見えたので、すぐ産んでもおかしくない状態とのこと。
念のため血液検査をする。尿酸値が非常に高く、脱水症状をおこしているようでした。
点滴とホルモン注射をしてひとまず様子をみることに。
ホルモン注射は産卵を促す効果があり、陣痛誘発剤みたいなもの。
すると翌日、３個だけ産卵しました。
直径3.5cm、無精卵なのでいびつ。
イグアナは通常数十個の卵を産むので、
きっとまだまだおなかに入っています。
「やっぱり詰まってるのかも」
病院に電話をして、6/16に予約を入れました。
（完全予約制なので、即診察というわけにはいかない）

ところが6/16早朝。
ゴソゴソと産箱で土を掘る音。しばらくしてから覗いてみると、
卵を産んで土に埋める作業をしているししまる。
よかった、産まれた～！病院に産卵の連絡をし、ひと安心。
様子が気になるのでケージを覗くと、
すごい勢いで飛び出して卵を守って威嚇するししまる。
刺激しないように、お疲れ様～とやさしく声をかけながら
久しぶりのごはんを与えてみると…ほとんど食べない。
産卵後はおなかペコペコだから、すごいがっつくはずなのに。
おかしいな…。
そのまま３日経過、漸く気持ちも落ち着いてきたししまる。
お散歩したいと抱きついてきたので、
部屋を散歩させている間に産箱を撤去、卵を掘り返してみました。
今度は12個。
^{ピンク色なのは、暖かい土の中にあったためカビているから。
有精卵はカビることなくもっとツヤツヤしています。}

部屋で散歩するししまるでしたが、異変に気づきました。
ギクシャクと動きがおかしいのです。
見ると右手中指の根元から出血しています。
きっと土を掘りすぎて痛めちゃったのでしょう。
手を庇って歩いてるのかと思いましたが、それにしても妙な動き。
手足が踏ん張れていない感じで、すぐにぺシャッと転ぶ。

数日後、病院に連れて行くと
入院することになってしまったのでした。